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岡口裁判官処分「the last straw」理論の危うさ 過去の行いの積み重ねでアウトに
ツイッターの投稿をめぐり、最高裁による戒告処分となった東京高裁の岡口基一裁判官。処分の決定理由に出てくる「the last straw」(最後のわら)という言葉が注目されている。
この言葉は、補足意見として出てきたものだ。決定文では、「ラクダの背に限度いっぱいの荷が載せられているときは、麦わら一本積み増しても、重みに耐えかねて背中が折れてしまうという話から、我慢を超えさせるものの例え」と紹介されている。
岡口裁判官は、今回問題視された犬の所有権についてのツイートだけでなく、これまでにもツイートをめぐり、厳重注意を受けていることから、今回のツイートが、我慢を超えさせる「the last straw」になったということのようだ。
この「the last straw」理論について、ツイッターなどでは、「よく理解できない」「危険な考え方ではないか」などの指摘も出ているが、どう考えればいいのか。猪野亨弁護士に聞いた。
偽物のブランド品を買ったら「返金」してもらえるか?
偽物のブランド品を店に陳列していたとして、大阪市のブティック経営者が2013年1月20日、商標法違反の疑いで逮捕された。新聞報道によると、ブティック経営者は高級ブランド「ボッテガ・ヴェネタ」の偽物の財布を販売目的で所持していたとされる。
大阪府警は、家宅捜索で「エルメス」や「ロレックス」などのブランド名が入った商品約400点を押収。いずれも偽物とみて、捜査を進めているという。ブティック経営者は「2年くらい前から偽物を売っていた」と供述しているとのことで、偽ブランドを購入した客が多数いるとみられる。
そのなかには偽ブランド品と知らないで商品を買った人もいるかもしれない。そのような購買者は、ブティック経営者に対して代金の返還を求めることができるのだろうか。西田広一弁護士に話を聞いた。
●「偽物」を買ったからといって、必ず返金してもらえるわけではない
「このようなケースで代金返還を求める方法としては、まずブティック経営者の『詐欺』を理由にして、商品の購入契約を取り消して、代金を取り戻す方法があります(民法96条、703条)」
では、「詐欺」といえるためには、どんな条件が必要なのだろうか。
「詐欺が成立するためには、(1)経営者が偽物を本物と偽っていたことと、(2)購入者が本物と信じて購入の意思表示をしたことが必要です。ところが、このような店の経営者は、(1)を否定して『もともと偽物と言って売っていた』などと主張することが多いでしょう。刑事事件の取り調べで認めていない場合は、広告や発言の録音などから立証するほかありません」
さらに、「(2)の点についても、かなり安い金額の場合は問題となるでしょう」と西田弁護士は指摘する。また、消費者を守るための消費者契約法を根拠に、購入契約の取り消しを主張することも考えられるというが、「消費者契約法4条1項1号の『重要事項の不実告知』の場合も、経営者が真実でないことを認識している必要がないこと以外は、ほぼ同様の問題があります」
もう一つの手段として、「購入者が本物と信じて購入した場合、『錯誤』による契約の無効を主張する方法もあります(民法95条、703条)」という。「しかし、金額がかなり低いとか、怪しい店であったとかの事情があると、重過失ありとしてこの主張ができなくなります」
また、現実的な問題として、「経営者が逮捕されたような場合、実際の返金をしてもらえるか難しい可能性があります」と西田弁護士は説明する。結局のところ、「ブランド品を購入される方は、信用できる店で購入されるのが適切でしょう」ということだ。
今回の事件の場合、商品を買った客がどのように考えていたのかはわからないが、偽物を買ったからといって必ず返金してもらえるわけではない、という点には注意が必要だろう。
大金ゲットして、死ぬまで働かずにダラダラ過ごしたい! 必要な金額を試算してみた
宝くじで一発当てる、埋蔵金を掘り当てる、立ち上げた事業の上場ゴールで株式売却、親から多額の遺産・・・。現実味はともかく、一度に多額の現金を手にする可能性自体は誰にでもあります。
もし、多額の現金をゲットして、税金を支払った後、「もう働きたくない。一生ダラダラ過ごしたい」と思った場合、一体いくらあれば足りるのでしょうか。蝦名和広税理士にシミュレーションを依頼しました。
コロナにおびえて出勤「いっそ閉めてほしい…」もし感染したら労災になる?
新型コロナウイルスの感染拡大で、在宅勤務が広がっています。一方、医療系やインフラ、小売店など在宅勤務ができない職種の人は、感染リスクに怯えながら働いています。
ツイッターでは、仕事に出ざるを得ない人から「感染リスクがある中で出勤したくない」、「いつ感染するか分からない恐怖と戦って疲れて来ました」と休業を求める声が複数みられます。会社や店に対して「いっそ閉めてほしい」と一時休業を求める声もありました。
仕事により新型コロナウイルスに感染した場合、労災の給付は受けられるのでしょうか。労働問題に詳しい太田伸二弁護士に聞きました。
江東区もスクールロイヤー開始、「実現すべきは子どもの利益」 第二東京弁護士会と連携
東京都江東区が2019年4月から、第二東京弁護士会と連携してスクールロイヤーを導入した。弁護士会と連携する形でのスクールロイヤーは23区では初めてで、委託料(予算ベース)は年間約211万円だ。
導入に際し、中心となってロビー活動を行ってきた鬼澤秀昌弁護士は「学校側の利益を守るのがスクールロイヤーではない。教育現場をあるべき姿に戻していくために必要なアドバイスをしたい。実現すべきは子どもの利益です」と話す。
裁判員「20歳→18歳」引き下げ、知っていますか? 有志弁護士が「議論が不十分だった」と批判
2021年5月の法改正で裁判員に選ばれる年齢がこれまでの「20歳以上」から「18歳以上」になることについて、裁判員制度について日頃から情報発信している弁護士らが、都内で記者会見し、「法改正のプロセスに問題がある」と訴えた。
一般社団法人裁判員ネットで代表理事を務める大城聡弁護士は、「十分な議論がおこなわれることのないまま、重大な法改正がなされたのは問題だ」と話した。
ジャニーズ性加害問題、週刊文春編集長が指摘する「メディアと事務所の利益共同体」
元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが4月12日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見を開き、ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川(享年87)さんによる「性加害」があったと語り、大きな反響を呼んでいる。
2019年に87歳で亡くなったジャニーさんが事務所の少年たちに性加害を繰り返していたという問題は、1999年10月から14週にわたって『週刊文春』が報道を重ねた。後にジャニーズ事務所などが記事は名誉毀損にあたるとして提訴するが、性加害の事実はあったと認定した判決が2004年、最高裁で確定した。
最初の報道から23年が過ぎた今年(2023年)3月、英放送局BBCによるドキュメンタリー番組が放送されたタイミングで、改めて同誌は追及を始めた。カウアンさんは『週刊文春』に顔出し実名で取材に応じ、12日の記者会見はYouTubeでも配信され、多くのアクセスがあった。
芸能界を揺るがす大問題を当事者が顔出しで語ったこの記者会見は、インターネットメディアのみならず、共同通信、全国紙、そしてNHKやテレビ東京、日本テレビも報じることとなったが、その他の民放テレビ局はこの問題を取り上げておらず黙殺している。各出版社が発行する週刊誌やネット媒体、そして多くのスポーツ紙も、同様に静観の構えを見せている(2023年4月15日8時現在)。
ジャニーズ事務所は今回の記者会見を受け、共同通信などの取材に対してコメントを発表したが、性加害については言及していない。また『週刊文春』の取材に対しても沈黙を続けているという。今回、この問題を改めて日本で報じている同誌の加藤晃彦編集長と、取材チームの松村優子記者に話を聞いた(ライター・高橋ユキ)。
出所者支援の現場に"予算削減"の波「存続が危ぶまれる」、更生保護連盟が法務省に緊急要望
刑務所を出た人たちを受け入れる施設への委託費が、国の予算不足で足りなくなっている問題で、「全国更生保護法人連盟」は、委託費を切り詰める国の方針を「到底受け入れがたい」として、法務省保護局長に対して財源の確保を求める緊急要望書を提出した。要望書は10月31日付。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
10月1日は都民の日 学校休みは関東ローカルだった! 年2回の“最強”自治体とは
東京都は、10月1日を「都民の日」としています。上野動物園や東京都美術館、浜離宮恩賜庭園など都の施設が無料公開されるほか、水の科学館で記念品を配布するなど行事をおこなう施設もあります。
また、都立および市区町村立の小・中・高校は「休み」とする場合、各自治体の教育委員会が定める「管理運営規則」で決められています。ただし、最近は授業日数を安定的に確保するため、墨田区のように例外としている自治体や学校もあるようです。
平日が「休み」というのは学生にとっては特別感がありそうです。ただ、全国では必ずしも「都道府県民の日」を条例で定めているわけではなく、都道府県単位で休業日としている自治体はさらに限られます。
愛知県は2023年から11月27日を「あいち県民の日」とし、公立学校で11月21日から27日までの「あいちウィーク」期間中の1日を休業日とする「県民の日学校ホリデー」を開始します。名古屋市も11月24日に実施予定ですが、名古屋市の河村たかし市長が「名古屋市は愛知県の植民地ですか?」と反発するなど話題となりました。
全国の「都道府県民の日」事情はどうなっているのか。調べてみました。
高速道路の落下物「年30万件」以上…タイヤ原因で親子死亡、重大事故あとたたず
岡山県津山市の中国自動車道で10月18日、落下物とみられるタイヤが原因で、大型トレーラーが横転し、路肩にいた親子2人がはねられて亡くなる事故が起きた。親子の乗用車も事故前、同じタイヤに乗り上げて動けなくなっていた。高速道路上の落下物は、年間約30万件以上も発生しており、これまでも重大な事故につながっている。
報道によると、今回落ちていたのは、ほかの大型トラックなどにつけられていた予備タイヤとみられ、何らかの理由で落下した可能性があるという。岡山県警は、タイヤを落とした車両の特定をすすめている。
中国自動車道を運営するNEXCO西日本に取材したところ、管内における落下物は年間約13万1000件(2015年度)。うちわけは、1位のプラスチック・ビニール・布類(毛布やシートなど)が4万3800件、2位の自動車部品類(タイヤなど)が1万4800件、3位の木材類(角材やベニアなど)が1万2500件だった
また、NEXCO東日本の管内では年間11万1500件、NEXCO中日本の管内では年間6万8000件(いずれも2015年度)の落下物が発生している。3社合計すると、約31万500件にものぼった。こうした落下物は、後続車両が衝突や乗り上げるなどして、重大な事故の原因となっている。