この事例の依頼主
男性
相談前の状況
実母の遺産をめぐる争いで、法定相続分での分割自体には問題がありませんでしたが、依頼者が実母の面倒を見てきたことから、寄与分をある程度他の相続人に認めてほしいというご依頼でした。裁判手続では、寄与分は別件で申立なければならない事項ですが、それによらず任意の交渉で実現できるか、相続人全員の意見の一致をみることができるかどうかが、問題でした。
解決への流れ
協議の結果、依頼者の寄与分を他の相続人に認めていただきました。実母の面倒を依頼者が見てきたことを他の相続人もよくご理解いただいたケースであり、感情的な対立に至らず、相続人全員が誠実に協議した結果の賜物と言えます。
相続人間に感情的な対立が未だ発生していなかったので、依頼者の意向を他の相続人に理解してもらいやすかったのと、他の相続人の希望を依頼者が受け入れやすかったということが、成功の鍵でした。感情的な対立で話し合いがこじれる前に、対処できたことが、相続人間の信頼関係を維持しつつ話し合いを実現できたという好例であります。