この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
依頼人である夫は既に勾留中で、ご子息から依頼がありました。逮捕事案は、運転中の妻に対して、運転の仕方が気に入らないとして妻に対して、頭部を殴打し、帰宅後車から降りた妻が玄関先で倒れて救急搬送されたというものです。妻は急性硬膜外血腫による意識不明の重体で緊急入院していました。逮捕された夫は頭部への強い暴力行為を否認し、軽く頭を叩いた程度だと説明していました。
解決への流れ
受任後妻が入院している病院へ赴き、主治医から病状とその原因の説明を受けました。それによると、妻は高齢で脳委縮もあり、比較的軽い外力でも脳内の血管が切れて硬膜外血種を発症するとのことでした。私が主治医に所見を尋ねて診察室を出ると、捜査を行っていた警察署の刑事が診察室の外で主治医との面談時間が空くのを待っていました。主治医は捜査担当刑事にも同じ説明をしたはずです。その結果、依頼人の夫は不起訴処分となりました。
傷害致死事件で無罪となった案件のご照会でも書いたことですが、本件でも勾留後すぐに依頼があり、警察の捜査を先回りして、依頼人である夫には有利な証言を主治医から得たことが、決定的な決め手になりました。