この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
妻の強い希望でマンションを購入。ローンを組むときの計算では、何とか返済していけることになっていた。ところが購入して何年か後、夫の勤める会社の業績不振でボーナスが減ったり、子どもが私立高校に進学したりということが重なり、ローンの支払いが難しくなった。マンションを購入するときに、夫から、ちゃんと払っていけるのかと何度も確認されていた妻は、ローンが払えないことを夫に言い出せず、夫に黙ってサラ金から借金をするようになった。その後、借金返済のための借金が重なるようになり、返済の督促状が家に何通も来たため、夫に借金のことが分かってしまった。そこで夫婦で話をして、夫が金利の低い銀行から借りたり、親類から借りたりして妻の借金を整理した。ところが、その時に妻は全ての借金を明らかにせず、一部の借金が残っていたため、そこから又借金が膨らんでしまい、再度督促状が来るようになり、そのことが夫に分かった。
解決への流れ
妻については、妻名義の財産が無く、また免責不許可事由もなさそうだったので、自己破産手続をした。夫には、マンションの住宅ローンの他に、妻のために借りた銀行からの借り入れや、夫自身の借金も少しあったため、夫の方も債務整理をすることにした。ただ購入していたマンションは手放したくないということであったし、この頃には子どもにお金がかからない状態になっていたため、住宅ローン特別条項を使った個人再生手続をした。
1.隠れて借金をしている人は、借金があることが分かってしまっても、全ての借金を明らかにしないことがしばしばあります。今回の奥さんも、ご主人に最初に借金の存在が分かってしまったときには一部を隠していました。そこで自己破産手続をするに際して、借金を全部明らかにするよう、しつこく聞きました。2.ご主人については、破産をするとマンションを手放さなければならないことから、個人再生を検討することになりました。奥さんの借金の返済が(破産手続を取ることで)無くなることを前提に、ご主人名義の住宅ローンと他の借金の返済とでシミュレーションすると個人再生手続で返済額を圧縮すれば住宅ローンも支払っていけることが分かり、個人再生手続をしました。