この事例の依頼主
女性
相談前の状況
依頼者は車両同士の衝突事故により、外傷性椎間板ヘルニア、膝関節挫傷を受傷し、入院約半月、通院約7ヶ月の後、後遺障害等級14級9号(局部に神経症状を残すもの)と認定されました。相手方保険会社からは、「膝の痛みはあなたの膝の形態異常が原因です。素因が大きく影響しているので、既払い金(治療費、休業損害)を除いて75万円(自賠責の14級限度額)しか支払えません」との提示がありました。
解決への流れ
依頼者は保険会社の提示に納得せず、弁護士に依頼しました。弁護士が14級を前提に後遺症損害を算定し、素因の主張に根拠がないことを指摘して交渉した結果、保険会社は素因減額の主張を撤回。既払い金を除いて200万円を支払う内容の示談が成立しました。
事故以前から被害者がお持ちの心因的な要因や、体質的要因(既往症等)を素因(そいん)といい、それが損害の拡大に影響している場合には、裁判でも一定の割合で減額されることがあります(いわゆる素因減額)。しかし、これが保険会社によって安易に主張されるケースがあります。安易に素因減額が認められると、少しでも持病がある被害者はまっとうな被害弁償を受けられなくなってしまいます。裁判では、素因減額の主張はそう簡単には認められませんし、認められる場合でも大幅な減額はまれです。少しでも疑問に思ったら専門の弁護士に相談するべきでしょう。