この事例の依頼主
50代 女性
相談前の状況
相談者は、結婚25年、大学3年生の娘が一人いる方でした。モラハラ的な言動が多い夫との生活が苦痛で、子どもが大学に進学をしたのを機に思い切って離婚を切り出したのですが、夫から「離婚はするけど、お金は何もやらない。身一つでこのマンションから出て行け。」と言われたそうです。マンションの名義は夫、家計も基本的には夫が握っており、手元の貯金もあまりないため、経済的に不安でずっと悩んでいるが離婚に踏み切れないという状態でした。
解決への流れ
相談者はパートタイムではありますが一応定額の収入を得ている方でしたので、別居の準備をし、当面は苦しくても何とか自力での生活をめざすことになりました。長女の大学の最終年の費用を夫に出してもらった段階で、その他の金銭については特に求めず、離婚届だけを書いてもらい、離婚届を提出しました。そして、離婚が受理された後、財産分与の調停を申し立てました。調停では、マンションの価値と預貯金の2分の1の金額に加えて、退職金の一部を支払ってもらえることになり、約1000万円の財産分与をうけることができました。
離婚をする際には、親権やお金の話など色々な問題についてきちんと取り決めるべきなので、離婚調停を起こし、その中で財産分与の協議をすすめるのが一般的です。ただ、この相談者の場合、お子さんが成人しており、問題となるのは財産の話だけでした。しかも、マンションの残ローンも減っていると考えられましたし、あと数年で夫が定年退職をすることから、かなり財産分与を受けられる可能性が高いケースでした。財産分与の話になった途端、夫が急に離婚はしないと言い出すこともあります。財産分与の請求は離婚後2年以内であればできるので、とにかく離婚の成立を優先させるべきという方針をたて、成功したケースです。